【新潟】HSP交流サークル

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いろいろ紹介⑨~プラネテス~

HSPの人は好きなものも似通うのでは?ということで久しぶりのいろいろ紹介。今回はアニメと漫画の作品で『プラネテス』です。
これは古典ギリシア語で『惑う人々』という意味で、『プラネット(惑星)』の語源となった言葉とのこと。

いわゆる近未来SFで、時は2070年代。人類の宇宙進出により、宇宙のゴミ(スペースデブリ)が問題になった時代。宇宙の清掃会社で働くサラリーマン星野八郎太、通称「ハチマキ」と、会社の後輩で愛の力を信じる情熱派、「タナベ」を中心とした物語です。
実はこのプラネテス、アニメと原作の漫画でだいぶストーリーが異なるのですが、両方の出来ががそれぞれ素晴らしく、漫画・アニメで星雲賞を受賞。これは『風の谷のナウシカ』以来の快挙だそうです。
ちなみにアニメの監督は『コードギアス』の谷口悟朗さん。宇宙空間の演出が素晴らしく、空気のない宇宙空間は現実にそって無音で通すほどの超リアル志向。それでもちゃんと表現できるのだからさすがです。そして原作の幸村誠さんは『ヴィンランドサガ』の作者さん。しかし私、そちらは読んでおりません。だって絶対心にがっつり入り込んでくるんだもの。間違いなく面白いのだろうなぁとは思っているのですが、まだ読む勇気が出ないのです。

物語は近未来の宇宙での生活を中心に描かれますが、変わらぬ毎日に嫌気がさしながらも一歩を踏み出せないハチマキや、人の持つ愛の力を信じながらもうまく使いこなせずに苦悩するタナベの姿は、まさに「惑う人々」そのものであり、今の時代に生きる私たちと、多くは変わらないように思われます。
ちなみに私のお気に入りのセリフがこの二つ!
自分の殻を破り強くあろうとしているはずが、どんどん自分自身に固執してしまったハチマキの、
「全部俺のもんだ。孤独も苦痛も不安も後悔も。もったいなくってな…お前なんかにやれるかよ!」
といセリフと、愛しているはずなのにそれを伝える術を見出せないタナベの、
「愛しているのよ。何もかもみんな愛してる、だから……」
というセリフです。
初めて読んだのが20歳くらいの頃だったもので、当時の自分としてはリアルに同じようなことを考えていたんですよねぇ…。今となっては懐かしい。少なくとも私はまだそんなプラネテスの一人なように思います。あるいは生きている間ずっとそうなのかもしれませんね。

そしていい作品は脇役もまたすばらしい。漫画版では上司のフィーの家族。戦争に加担する仕事は嫌だと言って職を離れるフィーと、そんな妻をさらっと受け入れ、選手交代と言って就活を始める専業主夫の夫。何この役割分担!熟年の愛に言葉はいらないのですねぇ。
また漫画版が20代前半向けだとするならば、アニメ版は30代向け。社会人としての葛藤がより多く描かれており、実際に社会人となった今の私はこちらの方が共感するところが多いです。そんなアニメ版の好きなセリフは、仕事中も接待の宴会芸を練習し続ける部長補佐ラヴィーの「OK,Baby……!」かなぁ。あの回で彼に対する見方が180度変わりました。あれもまた、ひとつの愛のかたち。

そんなそれぞれにいいアニメと漫画の『プラネテス』。GWの夜長にぜひ。安心のハッピーエンド作品です。
ちなみに私は宇宙開発物の漫画が好きで、『ふたつのスピカ』『なつのロケット』『宇宙兄弟』なども大好きです。こちらもその内紹介できればと思います。