今日ご紹介するのは映画で『誰も知らない』です。
これは数年前に話題になった映画『万引き家族』の是枝監督の作品で、実際にあったネグレクトを受けたこども達の生活を描いたものになります。
最初からどこか違和感のある家族。徐々にいなくなる母親。お金も水も食べ物もなくなる中でのこどもたちの生活。正直観ていてかなり辛くなるのですが、美しい映画表現といいますか、どこか観入ってしまいます。
こども達がねぇ、笑うんですよ。母親がいると。でもそれが不自然なんですよね。気を遣っているような怯えているような。そしてそれを無意識に強いるこどものような母親。
つい先日もこどもが犠牲になる事件がありました。そんなことは決してあってはならないのに、でもこどもと母親の繋がりはやはり強くて、いったいどうすることが正しいことなのか分からなくなってしまいます。誰も知らないというタイトルは、どこかそんな解決策のない現実を示しているようにも感じました。
正直結構ショッキングなお話なのですが、淡々と進む日常描写がどこか現実感を鈍らせてしまうというか、何故か素直に観れたりします。でもやはり繊細な方はご注意を。
ただ是枝監督は天才だと思いました。本当に。万引き家族もぜひ観てみたいと思います。
