少し前のことですが、青山海岸に行ったことがありました。特に何がある海岸ではないですが、駐車場が広くて停めやすいので時々立ち寄ることがあります。この日も風が気持ちよかったのでなんとなく立ち寄ってみたのでした。
私は断然山派なのであまり海に来ることはありません。なんなら潮風とかちょっと苦手なのですが、時々無性に海を見たくなることがあります。
この日は少し強めの温い風でした。もうシーズンは過ぎているので泳ぐ人はいません。思ったより多めの人が、思い思いに過ごしていました。
後ろの方では、お父さんがまるでエンターテイナーのように家族を盛り上げています。少し離れたところでは、男の子が『当たってはいけないゲーム』なるものを始めました。目の前にはまるでコマーシャルのワンシーンのように、若い夫婦が幼いこどもと波で遊んでいます。私の右後ろでは、白髪の老人がベンチに座って海を眺めていました。
夕方に差し掛かった太陽が、水面をキラキラと照らします。
何となく『渚にて』という映画を思い出します。あれは確か核戦争が起こり人類の寿命が残り僅かとなった時代の、その終焉のお話。正直内容は全然覚えていません。確かモノクロ映画で、何か静かに時間が流れていったように思います。静かな中でも、私たちは命を燃やし続けている。一滴たりとも無駄にするものかと、力強く。
そんなこと考えてるとちょっと涙が出てくるのですが、海を見てこんなこと考えてるやついるのかなと思ってみたり。寒くなってきたので帰ります。『渚にて』、ちょっと観直してみたくなりました。あんまり面白くなかったような気がしますが、どうだったのでしょうか。