先日アメリカ軍のアフガニスタン完全撤退が話題になりましたよね。そんな流れでクリント・イーストウッド監督の「アメリカンスナイパー」を観てみました。
こちらはイラク戦争を舞台とした、実在した伝説のスナイパーの伝記的作品です。
実は前情報で観ると胸クソな気分になれると聞いていたので、ストレスが溜まっているタイミングで観てみました。私なりのストレス発散なのです。
しかし予想に反するおもしろさで、胸クソではなく集中できたことでストレス発散になりました。
物語はイラクとアメリカ、戦争と平和の世界を交互に繰り返して進みます。これは映画的な手法ではなく、軍の派遣に則った作りなためです。私も知らなかったのですが、同じ軍人さんがずっと派遣されているわけではないのですね。期限を決めて交代で戦地に向かうそうです。
そんなわけで、主人公はいつ死ぬかわからない世界と愛する家族のいる世界を行ったり来たりするのですが、段々と平和な世界が侵されていきます。ネタバレになるので多くは書きませんが、戦争の持つ魔術的とも言える狂気がいかに人を苦しめるのか、それがとてもよく描かれていたと思いました。
しかし気を付けてほしいのはかなり刺激は強めだということです。そして前評判通りの胸クソ展開もあります。しかしそれらは実際にこの世界のどこかで起こっていることなのです。
映画であれば観なければ済む話です。しかしそこに踏み込んだ人は、そこに生まれた人は、否応なく戦争に巻き込まれていくのです。
そんな世界で、今の自分は本当にこのままでいいのか。そんなことを考えさせられる作品でした。
