昨日は突然のHSPカフェ中止、申し訳ありませんでした。コロナの危険性を考慮してではありますが、私自身大変残念に感じています。その後また再開してほしいというお話も来ており、12月にできるかどうか考えているところであります。
そんな中気づいたことがありまして。私はHSPカフェの中で何度か、「ブログで紹介した『ヨコハマ買い出し紀行』」などと話をしていたのですが、なんとまだ取り上げておりませんでした。どうやら下書きだけしてそのまま載せた気になっていたようです。
というわけで今回改めて紹介するのは、芦奈野ひとしさんの漫画で『ヨコハマ買い出し紀行』です。
以前私が好きだと言っていた、「薄暗いバックボーンがありながらもひたむきに穏やかに日常を生きている作品」にあたる作品であります。
時代は未来。人口がゆるやかに減少し人の時代が終わろうとする少し前、主人公であるロボット『アルファさん』の、穏やかな日常を描いた作品です。人類の歴史が終わる直前ではありますが、そこに暮らす人々は驚くほど穏やかです。しかし確かに上昇する海上水位やロボットが作られた経緯など、劇中でははっきりと明言されませんが、ハードな歴史があったことがちょこちょことうかがえてきます。
また、歳を取らないアルファさんと、少しずつ年齢を重ねる人々との関わり。新装版で全10巻となっていますが、読み終える頃には人それぞれの人生という名の歴史を感じることができることでしょう。
いわゆる日常系とはまた少し違い、とても繊細な情景を表現される漫画家さんです。例えば陽が沈む直前の藤色。例えば遠くでライターに火が灯る感覚。例えば季節が変わった空気の匂い…。そんなものにピンと来る人におすすめです。
2作目の『カブのイサキ』についてはおそらく打ち切りエンドと思われ、後半が足早に収束していくのが残念ではありました。逆に3作目の『コトノバドライブ』は、繊細な感覚に焦点を当てた作品と言えるかもしれません。どの作品も似たような、と言っては失礼かもしれませんが、同じようにどっぷりと芦名野ひとしワールドに浸れること請け合いです。1話を読んだらそのままの世界観が続くと思って構わないので、ぜひ一度お手に取ってみて、自身との適合率を確認してみていただければと思います。