【新潟】HSP交流サークル

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いろいろ紹介⑦~灰羽連盟~

今回紹介するのはアニメで、『灰羽連盟』です。
ご存じの方がどれだけいるかわかりませんが、私が東京で一人暮らしをしていた10年以上前に放送されていた作品です。

物語は主人公である少女が真っ逆さまに落ちてくるところから始まります。落ちている最中に気が付いた少女はこれが夢であると感じ、再度目が覚めると、淡く白い膜に囲まれ不思議な液体で満たされた空間を漂っていました。そしてその膜、実際には巨大な繭なのですが、その壁を破り外に出るところから物語は動き始めます。
灰羽とは一見天使のように背中に羽が生えている人間なのですが、その羽は白くはありません。背中にあるのは白でも黒でもない、綺麗な灰色。生まれる前に見た夢から名前をつけるというしきたりに従い、少女は『ラッカ(落下)』として、『灰羽』としての人生を歩み始めるのです。

そんな灰羽達の群青劇ともいえる作品ですが、私が初めて観たのは最終回でした。その頃の私は自分の命の価値もわからず、ただただ自分を醜いものに感じ、毎日眠れずに泣いているような日々でした。そんな時に点けていたテレビに映ったのは、自分と同じように生きる価値を見出せず苦悩する灰羽の姿であり、私は深い共感とともにこの作品を知ることになったのです。

その後DVDを買い1話から観直したのですが、もしかしたら最初から観ていたら途中で止めていたかもしれません。初めの内は灰羽の穏やかな日常生活を描いている部分が続き、ある出来事を境に場面は変化していきます。「罪を知るものに罪はない。では汝は罪人なりや?」。そんな謎かけを巡り、灰羽の持つ罪や、それを許し許されていく過程が徐々にそして繊細なタッチで描かれていくのです。そして灰羽達が辿り着くひとつの答え…。当時の私は大きな感銘を受けました。

正直今観てもその頃ほど心に残ることはないような気がします。しかしある種、あるタイミングにおいては、とても強力なカンフル剤として影響を及ぼす作品なのではないでしょうか。ちなみにハッピーエンドですのでご安心を。

ちなみに灰羽達の住む世界は、村上春樹さんの初期の作品『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の影響を受けているらしいです。こちらも私の好きな作品なのですが、『世界の終わり~』と言えば音楽の『ダニーボーイ』が素敵ですね。最期はあんな曲で送られたいと割と本気で思っています。
こうやって好きな作品を掘り下げていくといろいろな別の作品に繋がっていくことがあります。そういう意味では作品は必ずしも作者のものだけではなく、いろいろな想いが積み重なってできていくものなのかもしれません。そしてそういうところが作品の『深み』に繋がっていくのではないでしょうか。