【新潟】HSP交流サークル

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いろいろ紹介⑧~少女終末旅行~

先日コロナウイルスの影響により交流会を中止にしたわけですが、正直今は交流会がしたくて仕方がありません。いつの間にか私にとって掛け替えのないものになっていたのだと感じています。

そんなこんなで予定が全然なくなってしまいましたので、以前教えていただいたマンガ『少女終末旅行』を大人買いし、読みふけってみることにしました。

この作品は、高度だった文明が崩壊し生物がほとんど死に絶えた終末の世界を、二人の少女がマイペースに旅するお話です。
まずこの作品、私が『いろいろ紹介②』で好きだと言っていた『薄暗いバンクボーンがありながらもひたむきに穏やかに日常を生きている作品』そのもの!もう本当、ここまで純粋に表現していることに驚きです。
最初は絵柄が自分に合うかなと心配だったのですが杞憂に終わりました。割りと独特で可愛らしいタッチなのですが、想像力を掻き立てられるといいますか、マンガという白黒の中に、空の青さや星の瞬きを確かに感じることができる、そんな印象です。ちなみに私は寝る前に読むことをおすすめします。夜の静けさや不安をいい具合に中和して、安眠できること請け合いです。

この本を読み終えて、なぜこういったが好きなのかなんとなくわかった気がしました。それは、限られた空間や時間の中でこそ飾り建てのない美しさや純粋な感情が浮き彫りにすることができ、日々の日常の中でそういった大切なものを忘れないようにしたかったのだと思います。
例えばこの作品で言えば、終末という世界ゆえに登場人物はほとんどいません。しかしだからこそ、側に人がいることの喜びや出会いによる広がりが鮮明になるのではないでしょうか。他にも劇中内では、生きることとは何か、命とは何かなどの根元的な問いが、若さから来る情熱とは別に、本当にシンプルなただのありふれた問いのひとつとして語られます。日々の忙しいが恵まれた日常の中では考えなかったような問いも、ほとんどの生き物が死滅した終末の世界だからこそ自然で意味のあるものとして映え、私たちに考える機会を作ってくれているように思います。

またそれとは別に感じたのは、自分の人生観と似通った部分です。終末の世界ゆえ、一見ほのぼのとした物語も常に死の予感と隣り合わせになっています。生と死の境目が薄いような、綱渡りのような微妙なバランスの上に成り立っているような。それはどこか私自身の持つ生きる感覚と似ているような気がして、居心地のよさを感じているのかもしれません。

しかし同時に、こういった作品と同じ時間軸で生きていくわけにはいかないとも思います。例えば今この世界が終末に向かっているのかは終わってみないとわからないですし、私達もいつ死ぬのかはわかりません。明日死ぬかもしれないから精一杯生きようと思っても、そんな思いを50年も続けられるかと言われたら自信がありません。そもそも死ぬ時のことを考えて生きることは、本当に生きていると言えるのでしょうか?きっとこの作品の人物はそんな問いをくれると思います。なぜこんなことを考えるのかと言えば、どうも私はなんでも影響されやすいので、あまり浮世離れしないように気を付けなければとよく思っているからです。

なにはともあれ、この『少女終末旅行』とてもおもしろかったです!もし他にも『薄暗いバンクボーンがありながらもひたむきに穏やかに日常を生きている作品』があれば、ぜひ教えていただきたいと思います。