今回ご紹介するのは映画で、『グリーンブック』です。
これは2018年の作品で、60年代のアメリカにおける黒人差別について描かれています。タイトルでもあるグリーンブックとは、当時発行された黒人のための旅行ガイドブックで、差別なく利用できるガソリンスタンドや宿泊施設などが載っているものになります。
あらすじとしては、黒人のジャズピアニストであるシャーリーとその用心棒兼ドライバーのトニーが、シャーリーのコンサートの為にアメリカ中を旅するロードムービーとなっています。
私も知識としては黒人の方への差別があったことや現在もそれが尾を引いていることは知っていましたが、具体的にどういう場面でどのようなことが行われていたのかはわかりませんでした。私なんかは黒人の方も白人の方も身構えてしまうのですが、日本人は「黒人差別」についてはあまり実感がわかないかもしれません。しかしそんな私たちの中にある「差別意識」に気付かされる仕掛けなどもあり、そういう意味でもおもしろい作品でした。
こうやって書くとちょっと重々しい気もしますし、実際私もそういう映画かと思っていたのですが、観てみると全く違った作品で、小気味いいセリフ回しにたくさんの笑えるシーンなどユーモアたっぷりの楽しい作品です。
HSP的に考えるなら、ピアニストのシャーリーはとても繊細で生真面目。しかし情熱的な心を持ち合わせており、共感できる部分があるかもしれません。逆にドライバーのトニーはとにかく後先考えず手が出たり口が出たりと、the非HSPといった豪胆さ。そんな二人の間に芽生える友情に心震えます。
結末は言いませんが安心できる作品ですので、全年齢の方でも楽しく観ることができるかと思います。私もきっとまた観るでしょう。ちなみにシャーリーとトニーは実在の人物で、1962年に実際に行われたアメリカ最南部を回るコンサートツアーをもとに作られたそうですよ。