冬の恐山を経験したことで、私はようやく死にたいわけではないことに気づきました。しかしかといってどう生きてけばいいかはわからず、ひとまず白血病のドナー登録を行いました。
ドナー登録は不思議です。登録することで、この世界のひとつの命に、生きる可能性が生まれるのです。自分の行動が、誰かの命につながっているかもしれない可能性。生きる意味がわからなかった頃の私は、生きたいと願っている人のために自分の命を使おうと思いました。そしてそれを自分の生きる意味にしようと思いました。
あれから10年以上経ちますが、まだドナーとしてのお呼びはかかりません。いい加減血液がドロドロになってきていると思うので、できれば早く呼んでもらいたいものです。
