今回紹介するのは、漫画家のこうの史代さんです。最近では『この世界の片隅に』という映画で有名になりましたが、私はそれ以前から大好きな漫画家さんでした(自慢)。
個人的には『さんさん録』や『長い道』、『夕凪の街 桜の国』が好きです。特に『夕凪の~』のラストの時間をまたぐシーンは、まるで春の空気が伝わってくるような、控えめだけど確かなつながりを感じるような、とても素敵な表現だったと思います。
『この世界の~』も好きなのですが、後半の主人公の気持ちの変化に違和感があり、すんなりと入ってこないものがありました。しかし戦争という環境を考えると、むしろその違和感こそが本質なのかもしれないとも思い、少なくともいろいろ考えさせられる作品と言えるのではないでしょうか。
実は新しいカットを挿入した『この世界の《さらにいくつもの》片隅に』が、12/20から劇場公開されるとのことです。
以前の映画は、原作を読んだ人ならば割と重要なストーリーが丸ごとカットされていたことに気づいたと思いますが、今回はそれも含めた完全版ともいうべきものらしいですね。
ちなみに私、『この世界に~』は劇場で観ましたが、「観ている人はこの広島弁の意味わかっているかな?」「ここ笑えるシーンだけど気づいたかな?」などまるで保護者目線になってしまい、周りの反応が気になって楽しめませんでした。
好きすぎるのも困りものですが、皆様ぜひご覧いただければと思います。ちなみに空襲のシーンなど大きな音が出る場面もあるため、苦手な方はお気をつけください。