ついにこの時がやってきました。今日ご紹介するのは漫画で「愛人」です。読み方はアイレンです。
これは私にとってのベスト・オブ・コミック!今後これしか読んじゃダメと言われたらこれを選ぶ、それぐらいの作品です。
舞台は科学技術が飛躍的に発達した未来。しかし人口は減少の一途を辿り、ついに人は生殖能力すら失います。そしてテロや飢饉、戦争。人類の歴史の終末間近。しかしそれとは関係なく、言うなれば不治の病にかかり余命幾ばくもない青年が主人公です。そしてそんな死が目前に迫った人間にあてがわれる、いわゆるクローンの擬似的な恋人。そんな二人が出会い死ぬまでの物語です。
そう死ぬのです。主人公はもちろん、ヒロインも人工的に寿命が設定されていて、主人公と同じ数ヶ月の命なのです。そしてこれはネタバレでもなんでもなく、決して回避できない結末なのです。
テーマは「愛」。
実は先日久しぶりに読み返したのですが、泣きましたね。ワンワンと。号泣です。
何より涙が出るのは二人が亡くなったところ。
寂しいんです。悲しいんです。辛いんです。
つまりそれは、生きていたからなんです。二人が、自分の中に、存在していたからなんです。
正直どんなに言葉を尽くしてもこの作品を表現することはできません。
ちなみに作者の田中ユタカさんは、この作品を描き上げた後、しばらく漫画を描けなくなったそうです。それだけ正に入魂の一作。
最後にキャッチコピーだけ載せさせていただきます。
「それでも僕は
せいいっぱい
人を愛した」
気になる方は、ぜひ。